取材記No.32「やさかにきちゃんさい!有機栽培って何だろう?(西日本ファーマーズユニオン中国 やさか共同農場)」同行記(2026.8.5-6)
やさか共同農場は、島根県浜田市の弥栄町で、生活クラブに「やさかの麦茶」や、あっぱれ育ちのほうれん草や小松菜、また加工原料のタカノツメ、web限定で「やさかの麦みそ」などを出荷する生産者です。
夢都里路くらぶにも、発足当初から企画を実施し、これまで、援農や体験、中長期研修など、様々な企画を実施し援農の受け入れをしています。
今回、夢都里路くらぶ事務局を担当して3年目にして、やっとタイミングが合い、やさか共同農場の企画視察に同行させていただきました。

東京からは飛行機が1日に2便、そこから集合となる浜田駅までは予約制のリムジンタクシーで1時間程度移動し、やさか共同農場までは車で約40分程度。決して都心からアクセスの良い場所ではありません。
ですが、降り立った景色は格別です。
夜になれば、街頭もない一面満天の星空。地面に座って空を眺めていたところ、大きな流れ星を見られて感動しました。天気が良い時は、月明かりで自分の影が地面に映るほどだそうです。
企画の中では、外国人実習生やマルチワーカーの方と一緒に小松菜の収穫後、枝豆の脱莢を行い、定型生産者の圃場、みそ加工工場、加工用トマト工場、ポップコーン圃場、椎茸の人口ほだ場など、地域を余すところなく見学させていただきました。午後は実習生、マルチワーカーの方と一緒に小松菜・赤とうがらしの調整を行い、参加者は最終日には加工用トマトの収穫を行ったそうです。


やさか共同農場では、有機で作物を育てる為、ハウスの中でも外でも、多様性を重要視しています。もちろん害虫や病気が入らないように対策はしていますが、もし入ってきたとしても、土と作物が負けない力をつける為、作物の切り替え時期に年に2回、ハウスの中で太陽熱発酵を行っています。ビニールをハウス内一面に敷くことで、土の表面は80度ほどまで上昇し、ダニや雑草の種を死滅させ、地中は35度程度で発酵させ、有益な菌を増やす、という対策をしています。もちろん有益な菌だけが増えるわけではありませんが、悪い物だけを減らすのではなく、良い物も悪い物も全部増やした上で、良い菌が勝てるような土づくりを行っています。
また、ハウスの外の草刈りも、全てを刈りつくしてしまうのではなく、敢えて高めに切ることで、生長点の低いクローバーや、背の高いイネ科の雑草など、様々な雑草の中で多様性を持たせ、益虫を増やすという試みをしています。
害虫の天敵になる昆虫が増えるよう、花は敢えて刈らずに残しているそうです。


また、実験ハウスと称して、いくつかのハウスの中で、枝豆の残渣をまいて肥料にし、その横でカボチャをまいて無農薬で育てていたり、ブドウのハウスの中にいろいろな種類の野菜やハーブが植えられていたり・・・。常に実験を続けながら、やさかに合う作物を作り続けています。
無農薬で作るので、自然と虫に強い作物が残ってきたそうですが、働く人が色々な作業に関われるよう、また、働く人が外で野菜を買う必要がないように、と、本当に多種多様な野菜が植えられていました。


弥栄町は人口約1000人の町ですが、関係人口を増やす為の試みを複数行っていて、他県から地域で働きながら暮らしを学ぶプログラムに参加する学生や若者がいたり、地域作り事業協同組合という国の制度で、人口急減地域の移住者促進の為、複数の企業が受け入れ先となり、年間を通してマルチワーカーとして働く制度を活用し、移住してきた若者もいました。
短期的に地域に来ていた方が、気に入って移住するケースも増えてきているそうです。


実際に産地に行くことで、肌で感じる産地の魅力がたくさんある地域です。
今後も関係人口が増えるきっかけ作りとして、夢都里路くらぶが活用されると嬉しいです。そしてたくさんの方に、やさかに訪れていただきたいです。
