取材記No.010

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「加夢onくらぶ農園」サラダ玉ねぎ109ケースを出荷!(2013.7.19)

宮城県のJA加美よつばでは、辛くない、生で食べられる「サラダ玉ねぎ」を栽培しています。加美よつばの玉ねぎの注文は1シーズンで200t、そのうち100tが「サラダ玉ねぎ」で、特にここ2,3年は需要が伸びているのですが作りにくいなどから、生産が追いついていない現状があります。夢都里路くらぶでは、そのサラダ玉ねぎ(バッハオニオン)を当地の農家や農協の皆さんの助けを得ながら、年間6回ほどの作業に年間登録したメンバーが参加して定植、草取り、収穫をし、最後は出荷して、生活クラブ組合員のもとに届けるという企画を始めました。
畑は、加美町の東南部 鳴瀬川の河川敷に位置する10a(1000㎡)の農園で、「加夢onくらぶ農園」のメンバーの写真つきの大きな看板が目印です。
作業は登録した10人のメンバーが11月の定植から始め、4月に畑の草取りをし、6月30日は収穫作業でした。タマネギを手で掘り上げて次に付いている葉をはさみで切ります。収穫にかかった時間は8人で5時間半、1日ですべて収穫することができ、収穫量は、ハッピー501(早生)が 529Kg、 ラッキー(中生)が989Kg 合計1518kg それ以外に規格外品が、368Kg でした。収穫した玉ねぎは規格外の小さいものを除きコンテナに入れてビニルハウスに運び、パレット上に重ならないように並べます。このまま、出荷までの間、扇風機で乾燥させるのです。

7月、いよいよ「加夢onくらぶ農園」の最後の作業、出荷・調整作業を迎えました。
調整とは、収穫物を出荷できるような状態にする作業で、「玉みがき」と、根を切り、茎を切りそろえる作業、大きさや腐れ、皮のはがれたものなどの選別作業です。「みがき」とは、玉ねぎを軍手をはめた手で1個ずつ腐れなどを確認しながらみがいて泥や砂を落とす作業です。収穫時やみがき作業時が晴天時であれば、泥も落としやすく、玉ねぎもピカピカになりますが、あいにく雨天だったため、作業効率は悪く、やってもやってもなかなか終わりません。次に玉ねぎの根を落とし、茎も指1本分残して切り揃え、2L~M混みと、L~S混みに分けてコンテナに入れました。
翌日の出荷作業は、中央倉庫にて、玉ねぎ部会のメンバー総出で班ごとにそれぞれ品質を確認しながらの作業です。「加夢onくらぶ」も、加美よつばの玉ねぎ部会の一員として、29週の班企画の出荷作業に参加しました。作業は、みがいた玉ねぎを今度は素手で再度腐れのものをはじいて、段ボール箱を含めて11kgになるよう段ボールに入れます。段ボール箱には、加夢onくらぶのものとわかるよう、マジックで「班 サラダ 加夢onくらぶ」と記入し、「加夢onくらぶ生産者カード」を入れて、ふたをします。19日には、10キロ箱で67ケース、22日には42ケース、合計で109ケースを生活クラブ向けに出荷することができました。これは、加美よつばから、29週の班向けに出荷したサラダ玉ねぎの30%となりました。
どんな人のところに届くのか?またこの生産者カードの裏に感想を書いて送ってもらえたらどんなに嬉しいか、メンバーは生産者の気持ちを味わった調整・出荷を経験しました。
規格外の玉ねぎは、農場長の三浦たか志さん達により、「がんばるみやぎの農業フェア」や農協直売所で販売した他、皮を剥いて加工にまわしていただきました。
加美よつばでの消費者によるサラダ玉ねぎの栽培の1年目は、農協職員を初め、玉ねぎ部会の人たちが温かく迎え入れてくれ、日常的な見回りから、畑の耕起、マルチ張り、薬剤散布、草取り、ハウス内での玉ねぎの乾燥など、力を貸していただいて終了しました。3月に強風でマルチがすっかり飛ばされてしまうなどのアクシデントもあり、思ったような収量はありませんでしたが、2年目以降は、少しずつ自分たちでできることを増やしていくことを目標にしていきます。

【参加したメンバーの感想です。】
「自分達で定植したものを収穫する、というのは気持ちが違います。通して経験できたのは良かったです。時間的な問題も有るのでしょうが、JAの方に準備して頂いた後に、ちょっとだけ作業をしに行く、という感じで、申し訳なく感じました。
JAと農家の関わりとか、直接聞くことができて良かったです。(東京、50代男性)」
「思ったほど出来が良くなかった。規格外の小玉が多いなど、これは冬季のマルチはがれが大きな要因と推察されるが、河川敷で強風が予想されることでマルチの仕方の工夫が足りなかった。結果として苗の定着が悪かったことと雑草に負けたこと等が推測される。機械によるマルチ敷きには手直しと土載せが必要とも思った。(神奈川、70代男性)」
「私たち「加夢onくらぶ」の作業は、定植、除草、収穫、出荷の作業を各1日実施しますが、これ以外に、後期、肥料散布、草刈り、耕起、マルチ張り、防除、追肥、防除、中耕、草刈り、防除、中耕、草刈りの作業があり、それら畑を管理する作業があります。これらすべてを加美よつば農協の方々が手を入れて下さっています。感謝でいっぱいでした。加美よつば農協の方がすべてを実施して下さるが、これを夢都里路くらぶで自主的に行うようにしなければ、この企画に参加している私たちはいつまでたってもお客さんになってしまうように感じました。(東京、70代男性)」
「収穫するタイミングを知ることができました。畑の草がすごかったので、6月ごろにもう1回草取り作業を行っても良かったのではないかと思いました。(神奈川、60代女性)」

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