取材記No.013
「早生みかんの収穫((農)ながさき南部生産組合)」同行記(2014.11.23)
ながさき南部生産組合のある長崎県島原半島は、雲仙普賢岳、平成新山を望み、三方を海に囲まれた傾斜地に田畑が広がる産地です。歴史をたどると、島原の乱後、各地から入植した人たちが住んでいます。
1975年に5人の農家で安全な農産物を作ろうと発足した団体は、今では約130の農家が直売所含めると100種類の農産物を生産しています。その理念は生態系を重視し、人のいのちを育む本物の農業。有機栽培、特別栽培に準じた栽培体系を実践し、産直組織の草分けといえる産地です。生活クラブとの取り組みは、1997年からで、早生みかん、温州みかんなどのかんきつ類の取り組みの他、冬が温暖なため、春の玉ネギ、馬鈴薯、インゲン、国産では貴重な黒ゴマなどの産地です。
夢都里路くらぶの援農企画は、2011年から米、畑、みかん等に、これまでで11人が参加してきました。今回、早生みかんの収穫企画に同行しました。
島原半島でのみかん畑は、一面ミカン山ではなく、ミカン畑の隣りには馬鈴薯畑があるというなだらかな風景で、他の産地によくあるみかんを運ぶトロッコレールなどはなく、トラックが畑のすぐ横までつけられるという所で、眼下には有明海も見え、明るく広々とした感じがしました。
ながさき南部では、作物ごとに部会を設け、その部会ごとに肥料の設計や、使用できる農薬や品種を決め、化学肥料は使わず、特別栽培以上の栽培基準で栽培をしています。
収穫をした早生みかんは、12月初めまでには全部収穫しなければならないもので、木になっている実はすべて収穫します。色づきや実の大きさなど考えずにすべて採る作業は初めての人にもやり易い作業でした。
宿泊は、ながさき南部生産組合が、研修生のために作った新築、個室の施設「てんとうむしハイツ」です。ここには、ながさき南部の直営農場で働く人も宿泊していました。受け入れ先の児玉さんには、島原の歴史や、郷土料理(いぎりす、具雑煮)などの話を伺うことができました。
集合場所である島原港は、長崎空港からリムジンバスで2時間弱。熊本からのフェリーもあり、交通手段も豊富です。首都圏から遠い産地ですが、これからも多くの方に援農に行っていただきたい産地です。
(夢都里路くらぶ事務局 長谷川)