No.427 無茶々園は、地域をよくしていこうとする人たちの集合体だった! 「段々畑のみかん山&海体験」
西日本ファーマーズユニオン四国(無茶々園:愛媛県) 2019年11月15日(金)~11月17日(日)
斜面でのミカンの摘み取り作業と聞いていましたが、初めての参加者でも大丈夫なようにとのご配慮で段々畑でも低木のミカンの摘み取り作業をさせていただきました。摘み取りもさほど難しくはなく、どんなミカンが甘いのかも試食しながら教えていいただき満足度◎でした。
良かった点:恵まれた天候のもと、生産者と直接話を伺いながら楽しく摘み取り作業をさせていただいたこと。
印象に残ったこと:狩江笑学校の見学ができ、無茶茶園の仕事が地域の歴史と自然環境を生かして地域で暮らす方々との協働作業で成り立っていることが分かったことです。
(千葉、60代男性)
産地での農業の取り組みについて知りたくて参加しました。
1日目)海作業見学
①祇園丸 ちりめん漁の船に乗せてもらい、漁場見学や、加工場でちりめんの加工工程の説明をうけたり、祇園丸さんが長年取り組んでいる環境活動(わかめの養殖やひじきの自生栽培にかける情熱がすごい)や食育、無茶々園との出会いについてのお話を伺った。これがとても深い内容で、佐藤さんと出会えてお話を聞けたことは大変貴重な経験となった。
②佐藤真珠 養殖作業場や真珠の選別を見学。 真珠の養殖・加工・商品化まで一貫して行っている。真珠の品質は海の環境に大きく影響を受けるので、海の環境改善や小学生向けの環境学習にも取り組んでいる。
2日目)農作業体験
①みかん収穫 段々畑での作業と聞いて、相当な足腰への負担を覚悟し、湿布薬も持参したが、作業した場所は、ひとつひとつの段は幅がせまいものの、足元は平らに整えられていて作業はむしろ一般的なみかん山よりやりやすかった。目的の高さの段まではコンクリート製のしっかりした階段を一気にのぼっていき、一段作業しては少しずつ下におりていく。作業用具やみかんはモノラックという小さなモノレールで上げ下ろしするため、運び出しも水平移動。一番きつかったのは初めに階段を一気にのぼったところか。
②選果・箱詰め 生産者の自宅にある選果機で選果の様子を見学。目視で病害虫の被害の出ているものや、小さな傷も見逃さずに取り除いていく。手早さに参加者一同うなるばかり。
3日目)①園地見学 段々畑の上のほうから畑や集落、海を見渡す。里、山、海の近さを実感する。②無茶々園事務所が入っている元小学校の見学と無茶々園の取り組みについて説明をうける。
③無茶々園の選果場見学 ちょうど作業が終わって清掃中だったが、ラインの説明を聞くことができた。
・祇園丸 佐藤さんのお話を聞けた。無茶々園のことを少しだが知ることができた
・海作業の現場見学を通して、この地での海と山の密接なつながりを知ることができた。
・無茶々園は、単なる農業集団ではなく、地域をよくしていこうとする人たちの集合体だった。農業、かんきつ栽培では地域の約7割を無茶々園関係が占め、無農薬栽培を行っている。これだけの規模なので、海へ流れ込む農薬を減らすことができている・・・といったことを知った。
・天気に恵まれ、生産者の方の配慮もあったと思うが、とても作業しやすい段々畑で気持ちよく作業ができた。地元神奈川でみかんの収穫援農はやるが、収穫だけで解散が普通。そのあとの一連の作業を選果場の長いラインや様々な測定選別機械まで見ることができたのは新鮮だった。
・宿舎となった民宿の目の前が海で素晴らしい風景、おいしい海の幸を堪能した。近くの温泉もとてもよかった。この滞在環境で畑まで送迎付きならあと何日かミカン収穫ができると思った。
印象に残った点
・無茶々園の姿勢
ふるさとの自然、生業、文化、人とのつながりを大切に守り、LPG基地建設反対、スプリンクラーからの農薬散布反対、最近ではほとんど決まりかけた風力発電機の建設計画を覆すなど、思い切った活動の中心になってきた。スプリンクラーからの農薬散布問題では町を二分しての論争になったという。いろんなことを乗り越えてきて今のまちづくりがある。
人にも自然にも優しい農業、漁業をしながら この地に住み続けられるように雇用を生み出し、福祉施設をつくるなど知恵と力を注ぎこんでいる。
それでも人口が少なく人手不足なので外国人研修生を受け入れている。「フィリピンやベトナムの人がミカン栽培を覚えても帰国してから生かせないのでは?」と意地悪な質問をしたら、彼らが帰国してから働きやすいように、ベトナムにコショウの農場を作っているという。しかも、受け入れのために現地で日本語教育もしているそうだ。
・物流の問題
最終日に選果場を見学した際、首都圏への所要日数をきいた。選果場から埼玉県の戸田にはチャータートラックで1日。しかし数年以内には1日では無理になるだろうという。働き方改革やそもそもの人手不足のため。今から対策に頭を悩ませている。首都圏からの距離をここでも痛感した。消費者の意識改革も必要ではないか。
・生協や消費者とのつながり
無茶々園が顧客向けにだしているレターには、地元の祭りや農漁業の様子、抱えている問題も掲載されている。また、祇園丸の佐藤さんは長年東京都内の小学校で食育をしている。
パルシステムの職員は毎年無茶々園に研修に来ているという。生活クラブはどうかかわっているのだろうか、と思った。
・立地 標高20数メートルの農道わきに置かれた防災倉庫や民宿近くのモニタリングポスト。原発から実は30㎞圏内だったり、南海トラフ地震の津波リスクに直面している地域でもあると実感。
忙しい時期に「お客さん」すぎて申し訳なかったですが、とてもいい企画で、また明浜に行きたいと思う一方、一人でも多くの人にこの地域での取り組みを知り、体験してもらいたいと思います。(神奈川、50代女性)
初日は無茶々園についての話やちりめんじゃこ作りについて船に乗せてもらい、漁場や山の様子を海からみたり、無茶々園や祇園丸さんが取り組んでいる事業などについて佐藤さんより熱く語っていただきました。二日めは段々畑のみかん畑での収穫作業。夕方にはみかんの選果作業もみせていただきました。三日目はみかん山の見学や無茶々園の事務所が入っている廃校となった小学校を見学したり、お話しをきかせていただきました。
景観的にはとても美しい段々畑。しかし、みかんをそこに植え、美味しいみかんを作ってきた人々の力に敬服いたしました。また、無茶々園が目指してきたこの地域の発展につながる地場産業の推進や安心安全な食品づくりなど興味深く伺うことが出来ました。(兵庫、60代女性)