取材記No.28「アスパラ収穫・選果体験5日間(JAこしみず)」同行記(2026.5.22-23)
JAこしみずは、北海道・知床半島の付け根に位置する小清水町の生産者で、生活クラブにはればれブロッコリーや冷凍ブロッコリーなどを出荷しています。 耕畜連携の農業を昔から実践しており、酪農家から出る堆肥を畑に還元したり、馬鈴薯を加工する際に出るデンプンかすは牧草やデントコーンと混ぜて牛の飼料に。馬鈴薯の搾り汁は液肥を取り出して有機質肥料として畑にまいています。
JAこしみずでは、2011年から夢都里路くらぶの企画受け入れを開始し、アスパラの収穫・選果体験企画を実施しています。
小清水町では、小麦、てんさい、ビート、馬鈴薯が生産量の8割を占め、青果物はわずか8%、そのうちアスパラは10haの圃場で生育しています。
アスパラは収穫期間がわずか1か月で、成長スピードが速い為、午前午後の2回収穫を行います。ハウス栽培では収穫に機械が導入されてきていますが、露地栽培では成長速度が揃わない為、収穫は全て手作業です。寒暖差が甘みにつながる為、露地栽培で育てる小清水町のアスパラは贈答用として大変人気です。

参加者は、連日アスパラの収穫と選果を行います。
収穫できる適性の長さが決まっており、手鎌に適性範囲を示すテープが巻かれていて、その範囲内のアスパラを根元から刈り取って収穫します。
土からアスパラが一定の距離でニョキッと生えている姿は、初めて見る私にはとても新鮮で、同じように初めての参加者は一様に「アスパラってこんな風に生えてるんだ!」と驚きの声をあげていました。
アスパラの長さを手鎌で計って、範囲内であればしゃがんで根元から刈り取り。次の株まで数十センチ移動して、しゃがんで刈り取り。重労働ではないですが、ずっと移動と屈伸運動を続ける為、見た目以上にきつい作業です。


収穫を終えると、選果場に移動します。
アスパラは収穫期間が短い為、アスパラの時期限定で選果する人を雇用しているそうです。
以前は全て目視で選果を行っていたそうですが、選果の機械を導入し、1分間に400本の選果を行えるようになりました。
ですが、アスパラを機械に通す為に、レーンに流れるアスパラを一本ずつ枠内にセットするのが素人にはなかなか至難の業。
1分間に400本を検査する速さに合わせるには、落ち着いて作業もできず、かといって慌てると2~3本入ってしまい、うっかり追いかけてしまうと次から次へと流れてさらに追い付かず、また進行方向を見ると流れの速さで酔ってしまう。
何年もアスパラの選果を行っているベテランの皆さんに、間に合わなければ潔く隣の人に任せて自分の手元だけを見るといい、とアドバイスをもらいながら並べ続けます。
私は一日しか作業を行いませんでしたが、参加者の皆さんは最終日にはベテランの域に達していたでしょうか。


選果後、午後の収穫へ。
午前中には「もう少し伸びたら収穫できるのに」な長さだったアスパラが、午後には収穫可能範囲を飛び出そうな程成長していました。
この数時間でこんなにも成長するのか!と、参加者の皆さんと一緒に驚きました。
アスパラは伸びる時は1日に10㎝も伸びることがあるそうです。 アスパラ収穫の1か月間は、雨が降っても毎日収穫を行うというのも納得です。


翌朝には、圃場を見に行った段階で、昨日より伸びてる!を実感しました。
アスパラの生命力に感動です。
この頃には参加者の皆さんも、全てのアスパラに鎌を当てて確認しなくても、これはまだだろう、これは収穫サイズだろう、の当たりをつけてから収穫できるようになってきていました。


小清水町では高齢化や若者の移住で、人口が年々減少し、農業人口も減少しています。肥料や資材、燃料の高騰があるにもかかわらず市場の売値は変わらない為、経費の全てが農家に跳ね返り、それも原因で離農する人が増えています。
JAこしみずでは、できることを模索し販促に力を入れて、生産者のインタビュー冊子を作成して売り場で商品と一緒に配付したり、加工品の開発に力を入れています。
組合員が直接産地に赴き産地を知って、作業の手になることは、産地の継続の力になると思っています。
今後も、利用することはもちろんのこと、たくさんの方が北海道の広い大地で作業に参加し、地域のファンになっていただけることを期待しています。
