取材記No.24「あっぱれ野菜の堆肥の素!落ち葉を集めよう(栃木県開拓農業協同組合)」同行記(2026.1.23)
栃木県開拓農協は、1983年から生活クラブと提携し、資源循環型農業を目指して牛肉・豚肉・野菜を生産する組合です。今回初企画で、園芸事業の中で、翌年の堆肥にする落ち葉を集める企画を行いましたので、同行させていただきました。
受け入れ生産者は、栃木県開拓農協に出荷するグループみんなの未来の根岸さん。収穫や定植などではなく、落ち葉を集めるという、夢都里路くらぶでも初めての企画です。
今回は日帰りで、栃木県でも数少ない昔ながらの落ち葉を使った堆肥作りを実施している農法や、あっぱれ野菜の価値を知ってもらうことを目的として開催していただきました。

以前は、農家のほぼ全家庭で、一年の農業の始まりは堆肥を作る為の落ち葉集めから、と言われており、家族総出で落ち葉を山から下ろし、各家庭で発酵、飼っている牛に踏ませるなどして堆肥を作っていました。
少子化や農業に関わる人の減少、また肥料が販売されるようになり、自分の家庭で堆肥を作る人はほとんどいなくなり、現在落ち葉を使った堆肥作りをしている人はほとんどいないそう。
根岸さんは、集めた落ち葉を堆肥としてだけでなく、マルチシート(畑のうねを覆う資材)の代わりに使用している。マルチシートは気温上昇や土壌水分の保持などを防止する目的で使用されるが、近年の高温で、マルチシートで覆っても根がゆだってしまうなど、暑すぎて苗が育たなくなってしまったそうで、代わりに落ち葉を使用するようになったそう。

マルチ以外にも、落ち葉に米ぬかを振って水をかけて踏む踏み込み肥料や、米ぬか、鶏糞、水などを加えて発酵させるぼかし肥料を作っている。
発酵熱で50℃ほどまで温度が上昇する為、発酵熱を使って春野菜の苗を作っており、電気が使えない時でも野菜の苗を作ることができます。
落ち葉が腐葉土になったら、その次の培養土に使用でき、落ち葉は貴重な資源となっています。
参加者は、熊手で根岸さんの裏の山の上から落ち葉を掃き下ろしながら下に下っていきます。
一名はブロワーを使用して、山の一番上から風を利用して下ろします。
落ち葉は下ろしていくうち、膝丈、深いところでは腰丈ほどの高さまで積もり、中には体ごとゴロゴロ転がりながら下まで下ろしていく生産者もいました。

下までおろしたら、グループ内で組み込み堆肥、ぼかし堆肥を作る生産者のところに運ぶ為、ネットに入れる作業を行いました。
用意された50袋はあっという間に落ち葉でいっぱいになり、来年はもっとたくさん袋を用意しておいてほしい、と参加者からリクエストが出たほど。

根岸さんの圃場は山に囲まれており、見比べると、根岸さんの山はきれいに管理された里山、反対側は先も見通せないほど木や枝が密集しており、一目で違いが一目瞭然でした。
管理された里山は、獣と人との生活の境界線としても機能しており、近年多発する獣害は、山が管理されず放棄されているのも一因だそう。


根岸さんはふくろうの鳴き声がする笛で、参加者を見送ってくれました。
朗らかで温かいご夫婦に会いに、また参加したいという参加者も多数いるのではないでしょうか。
